日本三大うどんとは? 讃岐・稲庭・水沢・五島・氷見、「三大」に挙がるうどんの特徴とちがい
公開 文: Katsunori

「日本三大うどん」という言葉は、うどんの産地の紹介でよく目にします。ただし、挙げられるうどんの顔ぶれは、資料によって違います。
この記事では、農林水産省の資料と、それぞれの産地の市・観光協会・協同組合の公式ページをもとに、「三大うどん」に挙がるうどんと、その特徴を整理します。
「三大うどん」の顔ぶれは、資料によって違う
名乗っている産地は 3 つより多い
公的・公式のページを調べると、「日本三大うどんの一つ」という紹介は、少なくとも 4 つの産地で見つかります。
| うどん | だれが | どう書いているか |
|---|---|---|
| 水沢うどん(群馬) | 渋川市 | 秋田県「稲庭うどん」、香川県「讃岐うどん」と並ぶ、日本三大うどんのひとつに挙げられている |
| 稲庭うどん(秋田) | 秋田県稲庭うどん協同組合 | 日本三大うどんの 1 つとして、秋田県を代表する名産品に発展した |
| 五島うどん(長崎) | 五島手延うどん協同組合 | 日本三大うどんの一つに数えられる |
| 氷見うどん(富山) | 氷見の物産の通販サイト | 日本三大うどんのひとつとして有名 |
この記事を書くにあたって、「三大うどん」を認定している機関や、公式の定義を示した公的な資料は見つかりませんでした。
農林水産省の書き方
農林水産省のデータベース「うちの郷土料理」は、群馬のうどんの項目で、水沢うどんは「秋田の稲庭うどん、香川の讃岐うどんと並んで日本三大うどんと言われている」と書いています。「と言われている」という、伝え聞きの形です。
同じ農林水産省の、稲庭うどん・讃岐うどん・五島うどん・きしめんを紹介するページには、「三大うどん」という言葉は出てきません。
讃岐と稲庭は、ほかの産地からも名前が挙がる
水沢うどんを紹介する渋川市、渋川伊香保温泉観光協会、農林水産省のページは、どれも「稲庭」と「讃岐」を並ぶ相手として挙げています。一方、五島うどんと氷見うどんの紹介は「三大の一つ」と書くだけで、残りの 2 つがどれかは挙げていません。3 つめのうどんは、資料によって違います。
秋田県稲庭うどん協同組合は、ご当地うどんは「日本三大うどん」や「日本三銘うどん」と表現されることが多く、稲庭うどんはそのどちらにも数えられる、と紹介しています。
それぞれのうどんの特徴
讃岐うどん(香川県)
農林水産省の「うちの郷土料理」は、讃岐うどんの特徴を「コシの強さとなめらかな食感」と書いています。広報誌「aff」の 2016 年 11 月号は、「かめば歯を押し戻す適度な弾力を備えた太めの麺」と紹介しています。
かけ、ぶっかけ、釜揚げ、釜玉と、食べ方が多いのも讃岐うどんの特徴です。食べ方はかけ・ぶっかけ・釜揚げ・釜玉のちがいの記事で紹介しています。

稲庭うどん(秋田県)
「aff」の 2016 年 7 月号は、稲庭うどんを「手延べ製法による秋田南部発祥の干しうどん」と紹介しています。平らな細麺で、しっかりしたコシとのどごしの良さが特徴です。
くわしくは稲庭うどんの記事で紹介しています。
水沢うどん(群馬県)
農林水産省は、水沢うどんを「つやとコシがあり、もちっとした食感」のうどんと説明しています。つやとコシを楽しむため、基本的にざるで出されます。渋川伊香保温泉観光協会は、水と塩だけで鍛えた麺の「透明感のある艶」と「つるつるとした喉ごし」を特徴に挙げています。
くわしくは水沢うどんの記事で紹介しています。

五島うどん(長崎県)
農林水産省によると、五島うどんは五島列島の古くからの特産品で、ゆでて戻した麺は「丸くて細くつるんとした食感」が特徴です。地元での定番の食べ方は「地獄炊き」で、乾麺を鉄鍋でゆで、トビウオを使ったあごだしで食べます。
くわしくは五島うどんの記事で紹介しています。

氷見うどん(富山県)
富山県の観光サイト「とやま観光ナビ」によると、氷見うどんはもともと「糸うどん」と呼ばれていて、ほかの手延べうどんと違い、最後まで手でよります。油は使いません。「手延べの滑らかさと手打ちのコシ、両方を楽しめる」のが特徴です。
くわしくは氷見のうどんの記事で紹介しています。
ちがいを見るポイントは「手打ち」と「手延べ」
三大うどんに挙がる 5 つは、伝統的な作り方で大きく 2 つに分かれます。
| うどん | 伝統的な作り方 | 麺の形 | 代表的な食べ方 |
|---|---|---|---|
| 讃岐 | 手打ち | 太め | かけ、ぶっかけ、釜揚げ、釜玉 |
| 水沢 | 手打ち | つやのある白い麺 | ざる |
| 稲庭 | 手延べ(干しうどん) | 平らな細麺 | ざる、温かいつゆ |
| 五島 | 手延べ(干しうどん) | 丸い細麺 | 地獄炊き |
| 氷見 | 手延べ(油を使わない) | 細麺 | ざる、釜揚げ |
手打ちは、生地をのばして包丁で切る作り方です。手延べは、生地によりをかけながら少しずつ引きのばす作り方です。五島手延うどん協同組合は、手延べの干しめんを、食用の油やでんぷんを塗り、よりをかけながら順に引きのばして乾燥させたもの、と説明しています。
稲庭・五島・氷見は、乾麺で知られるうどんです。讃岐や水沢にも、半生麺や乾麺など日持ちのする土産の商品があります。どのうどんも、作る会社によって生麺・半生麺・乾麺・冷凍麺などの形があります。
きしめんは「三大うどん」に入るのか
愛知県のきしめんは、農林水産省によると「厚さ 1mm、幅 7 から 8mm ほどの平たいうどん」です。うどんの仲間ですが、今回調べた公的・公式のページの中に、きしめんを「三大うどん」に挙げているものは見つかりませんでした。
きしめんは名古屋の味噌煮込みうどんときしめんの記事で紹介しています。
食べ比べて、自分の三大うどんを決める
「三大うどん」に決まった答えがないのなら、食べ比べて自分で決めるのも楽しみ方のひとつです。一玉 うどんログでは、食べた一杯の写真と、コシ・ダシの感想を記録できます。乾麺を取り寄せて家で食べた一玉も、記録に残せます。
参考にした資料
- 群馬のうどん・地獄炊き(五島うどん)・きしめん・しっぽくうどん(農林水産省 うちの郷土料理)
- ニッポン麺探訪 稲庭うどん(農林水産省 広報誌 aff、2016 年 7 月号)・ニッポン麺探訪 讃岐うどん(同、2016 年 11 月号)
- 水沢うどん(渋川市)
- 水沢うどん(渋川伊香保温泉観光協会)
- 稲庭うどんとは(秋田県稲庭うどん協同組合)
- 「五島手延うどん」の歴史(五島手延うどん協同組合)
- 富山名物の氷見うどん(とやま観光ナビ、とやま観光推進機構)
- 氷見のうどん(氷見市観光協会)
- 氷見うどん食べ比べセット(極み!とれとれ氷見)
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