加須うどんとは? 埼玉・加須の手打ちうどん、總願寺の門前で始まったといわれる歴史と「うどんの日」
公開 文: Katsunori

この記事で紹介する店
加須うどん(かぞうどん)は、埼玉県加須市で食べられている手打ちうどんです。市は 6 月 25 日を「うどんの日」とする条例を定めています。
この記事では、加須市と加須市物産観光協会、加須手打うどん会、埼玉県の観光サイト、農林水産省の資料をもとに、加須うどんの特徴と歴史、店を紹介します。
加須うどんの特徴
足踏みと寝かせを重ねた麺
加須市の公式ページは、加須うどんの特徴を、「足踏み」「寝かせ」といった手打ちうどん独特の作業を通常の倍も重ねることによる「コシの強さとのどごし」だと説明しています。
農林水産省のデータベース「うちの郷土料理」も、埼玉県の北東部のうどんを「手打ちのコシが強く喉ごしのよいうどん」と紹介しています。
冷たいうどんに、冷たいつゆ
食べ方について、加須市は「水洗いした冷たいうどんに、あっさり味の冷たいつゆという組み合わせが一般的」と書いています。
季節によって麺の太さを変える店もあります。加須市によると、夏は細いうどん、冬は幅の広い「ひもかわうどん」を出すなど、各店が手打ちの技を競っています。ひもかわについては桐生のひもかわの記事で紹介しています。
冷汁うどんとごま汁
夏の食べ方には、ごまと味噌の冷たい汁で食べるうどんがあります。加須手打うどん会の店「つるや」は、夏はごま汁、冬はひもかわを季節のメニューにしていると紹介しています。「子亀」は、公式サイトで自分の店を「冷汁うどん発祥の店」と名乗っています。

總願寺の門前で始まったといわれるうどん
参拝客をもてなしたのが始まり
加須市は、加須の手打ちうどん屋の始まりを、こう説明しています。
今から約 300 年前の江戸時代のなかば、利根川の渡舟場や不動岡にある總願寺の門前で参拝客をもてなしたのが、加須の手打うどん屋の始まりといわれています。
埼玉県の観光サイト「ちょこたび埼玉」も、加須地域は江戸時代の初めから小麦粉の生産が盛んで、江戸時代の中期に總願寺の参拝客をうどんでもてなしたのが、加須のうどん店の始まりといわれている、と紹介しています。
總願寺は、不動ヶ岡不動尊として知られる寺です。
館林城主からの礼状
總願寺には、うどんの歴史を伝える古文書が残っています。加須市によると、加須名物の「饂飩粉(うどん粉)」を贈られた館林城主からの礼状で、6 月 25 日の日付が書かれています。
加須市の広報紙「広報かぞ」2025 年 9 月号によると、總願寺には館林藩主の松平清武の書状が約 30 点残っていて、この礼状はそのうちの 1 通です。松平清武は 1707 年(宝永 4 年)に館林藩主になり、1724 年(享保 9 年)に亡くなりました。
加須手打うどん会のサイトは、この礼状についてさらにくわしく書いています。礼状に作成した年は書かれていませんが、城主である松平清武の生没年や總願寺との結びつきを分析した結果、加須うどんの歴史は 300 年以上前までさかのぼることが分かった、という説明です。
年は礼状そのものには書かれておらず、分析によって推定されたものです。館林と小麦粉の関わりは館林のうどんの記事でも紹介しています。
6 月 25 日は「加須市うどんの日」
加須市は 2013 年(平成 25 年)7 月 9 日に、「加須市うどんの日を定める条例」を公布しました。条例の第 2 条は、うどんの日を 6 月 25 日と定めています。
日付は、館林城主の礼状に書かれた 6 月 25 日にちなんでいます。条例の第 1 条は、目的を、伝統的なうどんの食文化について市民の関心と理解を深め、郷土料理であるうどんの魅力を全国に発信することで、産業の振興と地域経済の活性化を図ること、としています。
加須市物産観光協会によると、6 月 25 日を中心に「うどんフェスティバル」が開かれ、市内の店が加須うどんの PR やキャンペーンを行います。
加須手打うどん会の活動
加須手打うどん会の公式サイトによると、会は 1990 年(平成 2 年)7 月 11 日に結成されました。結成のときの加盟店は 27 店で、いまは 21 店で運営されています。同じサイトによると、市内でうどんを出している店は約 60 店あります。
会は、加盟店を回るスタンプラリーを行っています。加須市によると、台紙になるリーフレット「加須うどん」は、加須市商工会館の物産情報センターと加盟店で配っていて、史料をもとにした加須の手打ちうどんのルーツや食習慣も紹介しています。加盟店は緑ののぼり旗が目印です。
加須市は、市内の農家と連携して、加須産の小麦「あやひかり」を使ったうどんの試作研究も進めています。
埼玉県はうどんの生産量が多い県
農林水産省の「埼玉のうどん」の項目は、埼玉県のうどんの生産量を全国 2 位と紹介しています(2009 年の統計)。県内には、郷土料理やご当地グルメを合わせて 20 種類以上のうどんがあるそうです。同じ埼玉のうどんとして、武蔵野うどんの記事も紹介しています。
なお、加須うどんは「うちの郷土料理」の単独の項目にはなっておらず、文化庁の「100年フード」にも載っていません。
加須でうどんを食べられる店
埼玉県の観光サイト「ちょこたび埼玉」が加須うどんの店として載せている 3 店を紹介します。どの店も加須手打うどん会の加盟店です。営業時間や価格は変わることがあるので、出かける前に確認してください。
子亀
諏訪にある店です。公式サイトで「冷汁うどん発祥の店」と名乗っています。
つるや
土手にある店です。加須手打うどん会のページによると、冬はねぎ南ばん入りのひもかわ、夏はごま汁を季節のメニューにしています。
みょうとうどん
北平野にある店です。加須手打うどん会のページによると、加須産の地粉「あやひかり」を使った、肉汁うどんとカレーうどんの専門店です。
加須の一玉を記録する
加須うどんは、店によっては、夏と冬で麺の太さや季節のメニューが変わります。一玉 うどんログでは、食べた一杯の写真と感想を記録できます。季節ごとに同じ店を訪ねて、麺の違いを書き留めておくのも楽しい使い方です。
参考にした資料
- 加須うどん(加須市、2026 年 6 月 18 日更新)
- 6 月 25 日は「加須市うどんの日」(加須市、2026 年 6 月 25 日更新)
- 広報かぞ 2025 年 9 月号(加須市)
- 加須手打うどん会 スタンプラリーとうどんマップ(加須市)
- 加須市うどんの日を定める条例(加須市例規集)
- 加須のうどん・うどんフェスティバル(加須市物産観光協会)
- 加須うどん会・加須手打うどん会・つるや・みょうとうどん(加須手打うどん会)
- 埼玉はうどん共和国・店舗一覧(ちょこたび埼玉)
- 埼玉のうどん(農林水産省 うちの郷土料理)
- 埼玉県 地方別100年フード一覧(文化庁)
- 手打ちうどん・そば 子亀(子亀)
関連記事
一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



