稲庭うどんとは? 秋田県湯沢市で生まれた手延べの細うどんの歴史と食べられる店
公開 文: Katsunori

稲庭うどん(いなにわうどん)は、秋田県湯沢市の稲庭町で作られてきたうどんです。讃岐うどんのような太い生麺ではなく、手で延ばして乾かした、平たく細い乾麺です。
この記事では、農林水産省と湯沢市の資料、製造元の公式サイトをもとに、稲庭うどんの特徴と歴史、現地や秋田市で食べられる店を紹介します。
稲庭うどんの特徴
農林水産省の広報誌「aff」の連載「ニッポン麺探訪」(2016 年 7 月号)は、稲庭うどんを「平らな細麺で、しっかりしたコシとのどごしの良さが特徴」と説明しています。同じ記事は、油を使っていない点も特徴に挙げています。
湯沢市の観光ページは、「ふくよかな味わいとコシのある食感」と紹介しています。また、稲庭うどんは「日本三大うどんの一つと称されています」とも書いています。ただし、三大うどんにどの地域を数えるかには決まった定義がなく、紹介する人によって顔ぶれが変わります。
どうやって作るのか
稲庭うどんは「手延べ」の麺です。包丁で切るのではなく、生地を引き延ばして細くします。
農林水産省の記事によると、小麦粉に塩水を入れて練り、数時間かけて何度ももみ直します。そのあと「手綯(てな)い」という方法で、麺を 2 本のさおに 8 の字にかけ、120 センチメートルほどになるまで延ばしてから乾燥させます。
湯沢市の観光ページは、主な工程を次のように紹介しています。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 手綯い | 2 本の棒に、均一の太さになるよう 8 の字を描くようにかける |
| つぶし | 熟成させた麺をローラーでつぶす |
| 延ばし | 桁(けた)にかけ、手でさすりながら延ばす |
| 選別 | 乾燥させた麺を、一本一本目と手で確かめる |
江戸時代からの歴史
始まりは江戸時代の初め
湯沢市は、江戸時代の初めに稲庭地区で、地元産の小麦粉を使って作られたのが稲庭うどんの始まりとされる、と紹介しています。
農林水産省の記事は、寛文 5 年(1665 年)に製法が確立されたと書いています。
秋田藩の御用達に
秋田藩主の佐竹家の御用達になった時期は、資料によって書き方が違います。
- 農林水産省の記事: 宝暦 2 年(1752 年)に佐竹侯の御用達になった
- 佐藤養助商店の公式サイトの年表: 元禄 3 年(1690 年)に干うどんが佐竹藩主の御用製造になった
どちらが正しいかは、この記事では判断できません。「江戸時代に藩の御用達になった」とだけ覚えておくのが無難です。
1972 年に製法を公開
農林水産省の記事によると、稲庭うどんは長いあいだ 2 社だけで作られていました。昭和 47 年(1972 年)、地場産業を育てるため、佐藤養助商店の七代目が製法を公開します。佐藤養助商店の年表にも、この年に「一子相伝の秘法」を家の外の職人にも伝えたと書かれています。
いまは佐藤養助商店のほかにも、稲庭うどんを作る会社があります。2024 年 2 月には、秋田稲庭うどん協議会が「稲庭うどん」の地理的表示(GI、産地と結びついた名前を国が保護する制度)の登録を申請し、農林水産省が申請を公示しています。登録の状況は、農林水産省のサイトで確認してください。
稲庭うどんを食べられる店
ここでは、湯沢市の観光ページで紹介されている稲庭町の 2 店と、秋田市内に直営店を持つ製造元を紹介します。営業時間や休みは変わることがあるので、出かける前に各店の公式サイトで確かめてください。
佐藤養助 総本店(湯沢市稲庭町)
公式サイトの年表によると、佐藤養助商店は万延元年(1860 年)の創業です。稲庭町の総本店には、食事ができるレストランと売店があり、公式サイトによると工場の見学(無料)もできます。練る、綯う、延ばすといった工程を見てから食事ができます。
佐藤養助商店は、秋田市や横手市、東京の銀座などにも店を出しています(公式サイトの店舗一覧による)。

寛文五年堂 本店(湯沢市稲庭町)
湯沢市の観光ページで、佐藤養助総本店とともに、体験・購入・食事ができる場所として紹介されています。公式サイトによると、本店では稲庭うどんと秋田の料理が食べられるほか、茶道具の展示スペースもあります。
稲庭うどん 無限堂 大町本店(秋田市)
稲庭町まで足をのばせないときは、秋田市内でも食べられます。無限堂は公式サイトで、秋田市内に大町本店、秋田駅前店、卸町店の 3 つの直営店を案内しています。
食べた一杯を記録する
稲庭うどんは、同じ「うどん」でも讃岐うどんとは麺の作り方も太さも違います。一玉 うどんログでは、食べたうどんの写真と感想を一杯ずつ記録できます。各地のうどんの違いを、自分の記録で見比べてみてください。ほかの地域のうどんとの違いは、讃岐うどんの食べ方や水沢うどんの記事でも紹介しています。
参考にした資料
- 日本全国の麺文化をご紹介! ニッポン麺探訪 第3回(農林水産省 広報誌 aff、2016 年 7 月号)
- 全国的に知名度の高い稲庭うどん(湯沢市)
- 第284号:稲庭うどん(農林水産省 地理的表示の登録申請の公示)
- 歴代佐藤養助の軌跡(佐藤養助商店)
- 佐藤養助 総本店(佐藤養助商店)
- 稲庭うどん 佐藤養助商店(佐藤養助商店)
- 寛文五年堂 本店(寛文五年堂)
- 稲庭うどん 無限堂 オフィシャルホームページ(無限堂)
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一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



