富山県氷見市の「氷見のうどん」 手延べと手打ちをあわせた製法と由来
公開 文: Katsunori

この記事で紹介する店
富山県の北西、富山湾に面した氷見市に、江戸時代から続くとされるうどんがあります。つるりとしたのどごしと強いコシが特徴の、手延べのうどんです。
この記事では、農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」、氷見市観光協会の観光サイト「きときとひみどっとこむ」、製造元の公式情報をもとに、氷見のうどんを紹介します。
「氷見うどん」と「氷見のうどん」
呼び名について、先に触れておきます。一般には「氷見うどん」と呼ばれることが多いですが、農林水産省の資料や氷見市観光協会の「氷見のうどん」のページでは「氷見のうどん」と書かれています。
氷見市の移住支援サイト「みらいエンジン」は、「氷見うどん」が海津屋の関連会社の持つ商標だからと説明しています。この記事でも、特定の会社の商品名を指すとき以外は「氷見のうどん」と書きます。
由来は輪島の素麺の技術
農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」によると、江戸時代の中ごろに、能登の總持寺(そうじじ)のうどんや、加賀藩の御用達だった輪島の白髪素麺などの技術が氷見に伝わり、独自の製法が生まれたとされています。かつては加賀藩に献上されていたそうです。
元祖とされるのが「糸うどん」です。人の手でよりをかけ、糸を紡ぐように作られていく様子から名づけられたとされています。
製造元の一つ、氷見うどん高岡屋本舗は、宝暦元年(1751 年)ごろに始まったと公式サイトで紹介しています。氷見市観光協会のページでも、同社の「氷見糸うどん」を「氷見うどんの元祖」で、江戸中期から 275 年の歴史があると紹介しています。ただし、起源の年は製造元の伝える話で、公的な資料では「江戸時代中期」とされています。
手打ちと手延べをあわせた製法
氷見のうどんの特徴は、作り方にあります。
- 手打ち: 生地を平らに伸ばして包丁で切る作り方
- 手延べ: 生地をひも状にし、引っぱりながら少しずつ細く伸ばす作り方
農林水産省によると、氷見のうどんは、小麦粉に水と塩を加えてこね、足で踏んで生地を練り上げます。そのうえで、手でよりをかけながら伸ばしていきます。しっかりこねて足で踏む手打ちの要素と、手でよりをかけて伸ばす手延べの要素をあわせ持つことが、独特のコシとなめらかさを生む秘訣だと紹介されています。
もう一つの特徴として、農林水産省は、製法で植物油を使わないことを挙げています。
製造元の海津屋は、公式サイトで工程を 9 つに分けて紹介しています。こね、足踏み、板切り、こなし、かけ場(綾掛け)、小引き・はた掛け、箸入れ、乾燥、計量・検品・結束です。油を使わずに手作業で細く延ばすこと、足踏みで粘りとコシを出すことを特徴に挙げています。手延べの作業でできる気泡が、のどごしのよさにつながるとも説明しています。
日本商工会議所のウェブマガジン「日商 Assist Biz」(2024 年 10 月)は、海津屋の生地づくりを、天候や気温に合わせて塩や水の配分を変えてこねるところから始まると紹介しています。
食べ方
農林水産省は、温かくしても冷やしてもおいしいと紹介しています。温かくして食べる場合も、一度麺を冷水で締めると、のどごしがよくなるそうです。
乾麺と半生麺があり、太さもいろいろです。先の日商 Assist Biz の記事では、海津屋の商品として細めん・太めん・極細めんのほか、よもぎめんやゆずめんも紹介されています。作る途中で出る短い「ふし麺」は、サラダや汁物に使われます。
氷見市観光協会のページは、ざるでも釜揚げでもおいしく食べられると書いています。氷見市では、市内の飲食店のほか、小中学校の給食にも使われていると農林水産省が紹介しています。
食べられる店・製造元
ここでは、氷見市観光協会の「きときとひみどっとこむ」で紹介されている店と製造元を選びました。営業時間や定休日は変わることがあるので、訪問前に確かめてください。
| 名前 | 所在地 | どんな所か |
|---|---|---|
| 氷見うどん高岡屋本舗 | 氷見市伊勢大町 | 糸うどんの製造・販売元。江戸時代の製法を受け継いでいると紹介されている |
| うどん茶屋 海津屋 | 氷見市上泉 | 製造元の海津屋が本社の敷地内で営む直営の食事処。ゆでたてを出す |
| きときと亭 三喜 | 氷見市北大町(ひみ番屋街内) | 観光協会の「氷見のうどん」のページで紹介されている店 |
| よしだや本店 | 氷見市中央町 | 同じく観光協会の「氷見のうどん」のページで紹介されている店 |
手延べの麺は、秋田県の稲庭うどんも知られています。作り方の違いを比べてみるのもおもしろいでしょう。
食べた一杯を記録する
一玉 うどんログでは、食べたうどんを写真と一緒に記録できます。冷たいざると温かい一杯で食感がどう違ったか、残しておくと後で見返せます。
参考にした資料
- 氷見のうどん(ひみのうどん)(農林水産省 にっぽん伝統食図鑑)
- 氷見のうどん(きときとひみどっとこむ、氷見市観光協会、2026 年 7 月 20 日)
- 株式会社 氷見うどん高岡屋本舗(きときとひみどっとこむ、氷見市観光協会)
- 氷見うどん海津屋 うどん茶屋(きときとひみどっとこむ、氷見市観光協会)
- 氷見うどんの由来や製法について(氷見うどん高岡屋本舗)
- 氷見うどんとは(氷見うどん海津屋)
- 氷見”の”うどん(氷見市 IJU 応援センター・みらいエンジン)
- 手延べ、手打ちにこだわる伝統のうどん「氷見うどん」(日商 Assist Biz、日本商工会議所、2024 年 10 月 16 日)
関連記事
一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



