五島うどんとは? 椿油の手延べ麺と「地獄炊き」、あごだしで味わう長崎・五島列島のうどん
公開 文: Katsunori

この記事で紹介する店
長崎県の西の海に浮かぶ五島列島には、「五島うどん」という細いうどんがあります。讃岐うどんのような太い麺とは違い、手で延ばした細い乾麺で、製造の途中で椿油を使うのが特徴です。
島での定番の食べ方は、煮えたぎる鍋から麺を直接すくう「地獄炊き」。つけるのは、トビウオでとった「あごだし」です。この記事では、農林水産省や地元の観光協会、製麺所の公式情報をもとに、五島うどんの特徴と食べられる店を紹介します。
五島うどんはどんなうどん?
農林水産省の「うちの郷土料理」は、五島うどんを五島列島の古くからの特産品として紹介しています。同じページには、現在は作られた麺の約 80% が島の外に出荷されていると書かれています(記事作成時点の記載)。
椿油を使う手延べ麺
五島手延うどん協同組合の説明では、棒状の生地を 2 本の箸にかけて引き延ばしては束ねる作業を繰り返し、紐のような細い麺にしていきます。その途中で何度も生地を熟成させ、最後に時間をかけて乾燥させます。組合は、この熟成を「五島手延うどんの命」と書いています。
生地を延ばすときに、麺同士がくっつかないように使うのが、五島列島特産の食用椿油です。組合によると、椿油はオレイン酸を多く含み、麺の酸化を防ぐ効果もあるといわれています。
仕上がりについて組合は、コシが強く切れにくい麺で、つやがあり、なめらかな食感だと説明しています。

始まりには説がある
五島うどんの始まりははっきりしません。農林水産省のページは、五島がかつて遣唐使船の寄港地だったことから、遣唐使が原型を伝えた「といわれている」と紹介しています。同じページには、中国・浙江省の索麺(さくめん)がルーツだとする近年の説も挙げられています。
また、五島市の観光サイト「五島の島たび」は、五島うどんを讃岐うどん、稲庭うどんと共に「日本三大うどん」の 1 つに数えられていると紹介しています。ここでは、あくまで観光サイトの紹介として載せておきます。秋田の稲庭うどんについては稲庭うどんの記事で紹介しています。
地元の食べ方「地獄炊き」
今回参照した農林水産省、組合、観光サイトの資料は、そろって地元の食べ方として「地獄炊き」を紹介しています。
鍋を囲んで、ゆでたてをすくう
五島手延うどん協同組合は、地獄炊きを「大勢の人で鍋を囲みながらいただくシンプルで豪快な上五島の郷土料理」と紹介し、古くから家庭料理や行事食として親しまれてきたと書いています。
食べ方は次のとおりです。
- 鍋で乾麺をゆでる(組合の案内では、1 人前 80〜100 グラムを 6〜7 分ほど)
- 煮え立つ鍋を囲み、ゆでたての麺をすくう
- あごだしのつゆにつけるか、溶き卵にからめて食べる
農林水産省のページでは、ねぎやかつお節、しょうゆを入れた卵に麺をからめる食べ方も紹介されています。麺を鍋から取り出すときは「うどんすくい棒」を使うそうです。組合は、薬味にねぎ・しょうが・かつお節を勧めています。
ゆでたての麺を冷水で締めずに食べる点は、讃岐うどんの「釜揚げ」と共通しています。讃岐の食べ方はかけ・ぶっかけ・釜揚げ・釜玉のちがいで整理しています。
名前の由来
五島手延うどん協同組合は、初めて食べた旅人が「しごくおいしい」とほめたのを「地獄おいしい」と聞き違えたのが名前の由来だという話を紹介しています。一方、五島市の観光サイトは地獄炊きを、地獄の窯のように煮えたぎった釜の湯でうどんを煮ながら食べる方法と説明しています。名前の由来は言い伝えとして読んでおくのがよさそうです。
つけるのは「あごだし」
五島市の観光サイトによると、トビウオのことを地元では「アゴ」と呼びます。九州では、かつお節やいりこと並ぶだしの材料として使われているそうです。農林水産省のページも、地獄炊きは五島沖でとれたトビウオのあごだしで食べると紹介しています。
五島うどんを食べられる店
ここでは、新上五島町と五島市にある店から、町や市の公式観光サイト、製麺所の公式サイトで地獄炊きを出していると紹介されている、製麺所直営の店を選びました。営業時間や定休日は変わることがあるので、訪問前に各店の情報を確認してください。
| 店名 | 場所 | 紹介の根拠 |
|---|---|---|
| 麺'sはまさき | 新上五島町(有川郷) | 新上五島町観光なび |
| 竹酔亭 | 新上五島町(七目郷) | 新上五島町観光なび |
| 五島手延うどん おっどん亭 | 五島市(吉久木町) | 中本製麺の公式サイト |
麺'sはまさき(新上五島町)
新上五島町観光なびは、創業 40 年の浜崎製麺所の直営の店と紹介しています。地獄炊きなどの定番に加え、うどんを使ったアレンジメニューや定食、丼ものもあるそうです。
竹酔亭(新上五島町)
新上五島町観光なびによると、ますだ製麺の直営のうどん茶屋です。地獄炊きのセットが一番人気の品として紹介されています。
五島手延うどん おっどん亭(五島市)
中本製麺が運営する店で、同社の公式サイトによると 2017 年 12 月にオープンしました。同じサイトでは、地獄炊きうどんを「人気 NO.1 メニュー」としています。ほかに肉うどんやごぼう天うどんなどもあり、売店も併設されています。
有川港の近くには「五島うどんの里」も
新上五島町の有川港から歩いて 3 分ほどの場所には、観光物産センターなどが集まる「五島うどんの里」があります。施設の営業状況は、出かける前に町の観光サイトで確認してください。
九州のうどんと食べ比べる
同じ九州の福岡にも、独自のうどん文化があります。福岡のうどんは博多うどんの記事で紹介しています。
食べた一杯を記録する
一玉 うどんログでは、食べたうどんの写真と、コシ・ダシ・ネギの好みを一杯ずつ記録できます。島で食べた地獄炊きの記録や、讃岐うどんなどとの食べ比べに使ってみてください。
参考にした資料
- 地獄炊き(五島うどん/島原そうめん) 長崎県(農林水産省 うちの郷土料理)
- 「五島手延うどん」の特長(五島手延うどん協同組合)
- 美味しい食べ方(五島手延うどん協同組合)
- 乾杯~デザートまで。島グルメを味わいつくす!(五島の島たび、五島市の観光情報サイト)
- 麺'sはまさき(新上五島町観光なび)
- 竹酔亭(新上五島町観光なび)
- 五島うどんの里(新上五島町観光なび)
- 手延うどん おっどん亭(中本製麺)
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一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



