ひもかわうどんとは? 群馬・桐生の幅広麺の特徴と名前の由来、食べられる店 4 店
公開 文: Katsunori

ひもかわは、群馬県桐生市の名物の、薄くて幅の広いうどんです。店によっては幅が 10cm を超えます。
この記事では、群馬県の観光サイト、農林水産省、文化庁、桐生市と桐生市観光物産協会の資料、店の公式サイトをもとに、ひもかわの特徴と名前の由来、桐生の店を紹介します。
ひもかわの特徴
薄くて幅が広い
群馬県の観光サイト「心にググっと観光ぐんま」は、ひもかわを「麺の幅が広い名物うどん」と紹介し、幅が約 10cm を超える麺を出す店もあると書いています。農林水産省のデータベース「うちの郷土料理」も、店によっては 10cm 以上の幅になると説明しています。
幅は店によってさまざまです。15cm 以上の麺を出す店もあれば、幅の細さを特徴にしている店もあります。
幅が広いだけでなく、麺が薄いのも特徴です。桐生の藤屋本店は、公式サイトで「うどんよりも薄くて幅の広い麺」がひもかわだと説明しています。

つけ汁でも、煮込みでも
食べ方は店によって違います。群馬県の観光サイトは、つけ汁につけて食べる方法と、地元の野菜としょうゆベースの汁で煮込む方法を挙げています。「うちの郷土料理」は、カレーうどんなどのアレンジもあると書いています。桐生市観光物産協会の「ウマいもんマップ」にも、カレーのひもかわを出す店が載っています。
寒い時期の食べ物だった
藤屋本店の店主は公式サイトで、子どものころのひもかわは「秋のお彼岸から春のお彼岸まで」の寒い時期だけの食べ物だった、と振り返っています。文化庁も、ひもかわを秋から冬にかけて昔から食べられてきた郷土食と紹介しています。
「ひもかわ」という名前の由来
名前の由来には、はっきりした定説がありません。ここでは資料に載っている説を並べます。
「芋川うどん」がなまったという説
日本麺類業団体連合会の「麺類雑学辞典」によると、17 世紀半ばの『東海道名所記』は、三河の芋川(いまの愛知県刈谷市)の名物として「ひらうどん」を紹介しています。井原西鶴の『好色一代男』(1682 年)にも、芋川名物のひらうどんが出てきます。
同じ資料によると、当時の江戸では平打ちのうどんを「ひもかわ」と呼んでいました。江戸時代後期の風俗誌『守貞謾稿』は、「ひもかわ」は芋川のなまりだと書いています。桐生のふる川も、公式サイトで、名前はきしめんのルーツともいわれる「芋川うどん」がなまったものとも伝えられる、と紹介しています。
きしめんと芋川の平打ちうどんの関係は、名古屋の味噌煮込みうどんときしめんの記事でも触れています。
「紐革」に形が似ているという説
同じ「麺類雑学辞典」によると、江戸には、形が革の紐に似ているから「ひもかわ」だという説もあったようです。ただし『守貞謾稿』は、それなら「紐革」ではなく「革紐」と呼ぶはずだとして、この説を退けています。
織物の町・桐生とうどん
忙しい機屋の暮らしに合った食べ物
桐生は、古くから織物で栄えた町です。桐生市の子ども向けページは、多くの女性が織物の仕事をしていたため、作りおきができて手軽に作れるうどんが役に立った、と説明しています。文化庁も、職人や女工が食事の時間を惜しむなか、手早く食べられるうどんが重宝されたと書いています。
桐生市観光物産協会は、ひもかわを「機屋の多忙さが生んだと言われる」と紹介しています。
小麦がよく育つ土地
文化庁は、桐生のまわりを良い小麦が育つ土地だと紹介しています。理由として挙げているのは、浅間・榛名・赤城の火山灰を含む土、長い日照時間、乾いた空っ風、そして桐生川の水です。
文化庁の「100年フード」に「桐生うどん」
「桐生うどん」は令和 3 年度に、文化庁の「100年フード」に選ばれました。部門は「伝統の100年フード部門〜江戸時代から続く郷土の料理〜」、申請したのは桐生麺類商組合です。文化庁の紹介文には、10cm 以上の幅のひもかわがたびたびメディアで取り上げられていることも書かれています。
群馬県は、うどんがよく食べられている県です。農林水産省の「群馬のうどん」は、県内で特徴的なうどんとして、桐生市のひもかわ、館林市の「館林のうどん」、渋川市の水沢うどんを挙げています。水沢うどんは水沢うどんの記事で紹介しています。
桐生でひもかわを食べられる店
桐生市観光物産協会の「ウマいもんマップ」(2024 年 10 月発行)や群馬県の観光サイトに載っている店のうち、歴史や特徴が資料で確かめられた 4 店を紹介します。営業時間や価格は変わることがあるので、出かける前に確認してください。
藤屋本店
公式サイトによると、1887 年(明治 20 年)に、栃木県足利市出身の初代が桐生市に店を構えました。いまの店主は 6 代目です。店は本町一丁目にあり、古い町並みが残る「桐生新町」の重要伝統的建造物群保存地区の中です。群馬県の観光サイトでも、ひもかわの店として紹介されています。
川野屋支店
天神町一丁目の店です。群馬県の観光サイトは、この店のひもかわは幅の細さが特徴だと紹介しています。同じページによると、ひもかわを食べられるのは秋のお彼岸から春のお彼岸くらいまでです。
田沼屋
東六丁目の店です。「ウマいもんマップ」には「元祖ひもかわの店」という紹介文が載っていて、創業当時から出しているカレーひもかわを人気の一品に挙げています。農林水産省の「群馬のうどん」のページでは、写真の提供元になっています。
ふる川
公式サイトによると、15cm 以上の幅の麺を出しています。いま営業しているのは相生町の「めん処酒処ふる川 暮六つ 相生店」です。「ウマいもんマップ」に載っているパークイン桐生店は、公式サイトによると 2025 年 9 月 27 日に閉店しました。
ひもかわの一玉を記録する
ひもかわは、同じ桐生でも店ごとに麺の幅や食べ方が違います。一玉 うどんログでは、食べた一杯の写真と感想を記録できます。幅の広さや、つけ汁・煮込み・カレーのどれを選んだかを残しておくと、食べ比べが楽しくなります。
参考にした資料
- ひもかわ(心にググっと観光ぐんま、2023 年 3 月 13 日更新)
- 藤屋本店・川野屋支店(心にググっと観光ぐんま)
- 群馬のうどん(農林水産省 うちの郷土料理)
- 群馬県 地方別100年フード一覧(文化庁)
- 食文化【キッズページ】(桐生市)
- おすすめグルメ・観光情報(桐生市。桐生市観光物産協会「ウマいもんマップ」2024 年 10 月発行を掲載)
- 飲食店(Kiryu Walker、桐生市観光物産協会)
- きしめんの由来(日本麺類業団体連合会 麺類雑学辞典)
- 藤屋の歴史・店主の想い(藤屋本店)
- 味処ふる川(ふる川)
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一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



