館林のうどんとは? 「麦都」群馬・館林の百年小麦と釜玉、文化庁「100年フード」の郷土のうどん
公開 文: Katsunori

この記事で紹介する店
館林のうどんは、群馬県館林市で食べられているうどんです。地元産の小麦で打ったもちもちの麺と、釜玉うどんが知られています。
この記事では、文化庁と農林水産省の資料、館林市の計画書、群馬県の観光サイト、地元の団体と店の公式サイトをもとに、館林のうどんの特徴と歴史、店を紹介します。
館林のうどんの特徴
もちもちの麺と釜玉
文化庁の「100年フード」の紹介文は、館林のうどんを「もちもちとした食感、つるつるとしたのどごしの良さが特徴」と書いています。群馬県の観光サイト「心にググっと観光ぐんま」は、「柔らかいのにコシがある」ことをいちばんの特徴に挙げています。
食べ方で知られているのは釜玉うどんです。農林水産省のデータベース「うちの郷土料理」は、館林のうどんは「瑞々しさをそのまま味わえる釜玉うどんが名物として知られている」と説明しています。

地元産の「百年小麦」
館林のうどんの多くは、地元の小麦「百年小麦」を使っています。百年小麦ブランド化委員会の公式サイトによると、百年小麦は邑楽・館林地域で育てた小麦 100% を日清製粉の協力で製粉したもので、2017 年に商品化、2018 年に商標登録されました。農林水産省も、館林のうどんは百年小麦を使っているところがポイントだと書いています。
ほかの名物
館林市の「歴史文化基本構想」は、郷土食として「冷や汁うどん」を挙げています。煎りごまにしその葉や味噌を加えてすり混ぜ、塩もみしたきゅうりと刻みねぎを入れた冷たい汁で食べるうどんです。
店ごとの名物もあります。なまずの天ぷらを出す店や、幅の広い「鬼ひも川」を出す店があります。
「麦都」館林の歴史
将軍家に献上された小麦粉
館林市の「歴史文化基本構想」によると、麦は江戸時代から館林藩の名産品で、麦を加工したうどん粉は将軍家への献上品になりました。文化庁の「100年フード」の紹介文も、館林藩の特産品「饂飩粉」(小麦粉)が将軍家に献上されたと書いています。
花山うどんの公式サイトは、館林藩から将軍家に「うどん」が献上されたと書いています。公的な資料は「小麦粉(うどん粉)」の献上としているので、この記事では小麦粉の献上として紹介します。
日清製粉が生まれた町
明治時代には製粉業が興りました。日清製粉の公式サイトの沿革によると、1900 年に群馬県館林町(いまの館林市)で「館林製粉株式会社」が創立されました。これが日清製粉の始まりです。文化庁の資料は、こうした背景から館林市が「麦都」として知られるようになったと書いています。
館林市の「歴史文化基本構想」によると、1904 年の『群馬県営業便覧』には、市内の「うどん屋」「饂飩飲食店」などの店が載っています。同じ資料は、館林でうどんが名産になった理由として、盛んな麦作と、周囲に沼が多く急に乾燥しない気候を挙げています。
文化庁の「100年フード」と日本遺産
「館林のうどん」は令和 6 年度に、文化庁の「100年フード」(伝統の100年フード部門)に認定されました。申請したのは、麺のまち「うどんの里館林」振興会です。
館林の沼をテーマにした日本遺産「里沼(SATO-NUMA)」でも、館林のうどんは構成文化財のひとつになっています。
うどんの里をつくる活動
麺のまち「うどんの里館林」振興会
館林市観光協会のページによると、麺のまち「うどんの里館林」振興会は 1994 年(平成 6 年)に、市内のうどん店・製麺業者・メーカーで発足した会です。うどんを通じた地場産業の活性化と「うどんの里館林」の PR を目的に、イベントへの参加、食育事業、手打ちうどん教室、館林商工高校との連携などを行っています。
2019 年に組織された百年小麦ブランド化委員会は、この振興会(うどん部会)、館林菓子工業組合、たてラ倶楽部(ラーメン部会)などで構成されています。
全国ご当地うどんサミットでグランプリ
熊谷市の公式サイトによると、2019 年 11 月に熊谷市で開かれた「第 9 回全国ご当地うどんサミット 2019 in 熊谷」で、館林市の「上州牛の炙り釜玉」がグランプリになりました。農林水産省は、これが館林のうどんが全国に広まるきっかけになったと書いています。
麺-1 グランプリと後継のイベント
館林では「麺-1 グランプリ in 館林」というイベントが開かれてきました。館林市の広報 2025 年 10 月 1 日号によると、2025 年 10 月には、その後継として「第 1 回 麺-1 祭り館林」が館林城ゆめひろばで開かれました。
館林でうどんを食べられる店
群馬県の観光サイトと百年小麦の取扱店の一覧に載っている店のうち、公式サイトで歴史が確かめられた 2 店を紹介します。営業時間や価格は変わることがあるので、出かける前に確認してください。
花山うどん
公式サイトによると、1894 年(明治 27 年)に初代の橋田金三郎が館林で創業しました。本店は本町二丁目にあります。群馬県の観光サイトは、「決して大量生産するな」という教えを五代目まで受け継いでいることと、うどん日本一を決める全国大会で 2013 年から 2015 年まで三連覇したことを紹介しています。
公式サイトによると、幅の広い「鬼ひも川」は大正時代に二代目の橋田藤吉が考案し、2010 年に製造記録と包装資材が見つかって復刻したものです。「鬼」には「並外れて素晴らしい」という意味があり、群馬の郷土麺ひも川の中でも特に幅が広くておいしいという意味を込めたそうです。ひも川については桐生のひもかわの記事で紹介しています。
うどん本丸(館林うどん)
株式会社館林うどんの直営店で、本町三丁目にあります。公式サイトによると、館林うどんの創業は 1947 年(昭和 22 年)です。この店のためだけに製麺した生麺を使い、なまずの天ぷらも出しています。
館林の一玉を記録する
館林のうどんは、釜玉、冷や汁、ひも川と、食べ方の幅が広いのが楽しいところです。一玉 うどんログでは、食べた一杯の写真と感想を記録できます。同じ群馬のうどんとして、桐生のひもかわや水沢うどんと食べ比べてみるのもおすすめです。
参考にした資料
- 群馬県 地方別100年フード一覧(文化庁)
- 里沼(SATO-NUMA)・構成文化財 館林のうどん(日本遺産ポータルサイト)
- 群馬のうどん(農林水産省 うちの郷土料理)
- 館林市歴史文化基本構想 第 4 章(館林市)
- 広報館林 2025 年 10 月 1 日号(館林市)
- 麺のまち「うどんの里館林」振興会(館林市観光協会)
- 館林のうどん特集・花山うどん・うどん本丸(心にググっと観光ぐんま、特集は 2024 年 10 月 4 日掲載)
- 百年小麦とは(百年小麦ブランド化委員会)
- 花山うどんの歴史・本店(花山うどん)
- 会社案内(株式会社館林うどん)
- 沿革(日清製粉グループ)
- 第 9 回全国ご当地うどんサミット 2019 in 熊谷(熊谷市)
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一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



