津山ホルモンうどんとは? 「養生喰い」の牛肉文化に育まれた岡山・津山の鉄板焼きのうどんと食べられる店
公開 文: Katsunori

津山ホルモンうどんは、岡山県津山市のご当地うどんです。牛のホルモンと野菜を鉄板で焼き、うどんとたれを絡めて仕上げます。
この記事では、農林水産省と文化庁の資料、津山市の「歴史文化基本構想」、津山市観光協会と岡山県観光連盟のサイト、店の公式サイトをもとに、津山ホルモンうどんの特徴と歴史、店を紹介します。
津山ホルモンうどんの特徴
ミックスホルモンをたれで焼く
農林水産省のデータベース「うちの郷土料理」は、津山ホルモンうどんを「新鮮なミックスホルモンをたっぷり入れ、味噌や醤油ベースのたれを絡めてうどんと一緒に焼き上げる」料理と説明しています。主な材料は、ホルモン、うどん、キャベツ、玉ねぎ、長ねぎ、もやしです。
津山市の「歴史文化基本構想」は、「鉄板焼きの焼きうどんの一種で、具材に牛ホルモンを多く使用し、タレをかけて焼く」と定義しています。
店ごとに違う、たれと野菜
農林水産省によると、各店は自家製のたれを使い、たれとの相性を考えた野菜を加えるなど、店独自の味を作っています。同じ資料は、津山市内で 50 軒以上の店がホルモンうどんを出していて、その中には 50 年以上前から出している店もあると書いています。岡山県の観光サイト「岡山観光 WEB」も、具材や味付け、焼き方は店によってさまざまだと紹介しています。
農林水産省の作り方によると、強火の鉄板でホルモンを炒め、火が通ったらキャベツ・玉ねぎ・長ねぎを加え、塩・こしょう・たれ・うどんを加えて炒め、最後にもやしを加えます。好みでゆずの果汁を振りかけます。

「養生喰い」の牛肉文化とホルモンうどん
津山のホルモンうどんは、この町に長く続く牛肉の食文化を背景に、鉄板焼きの締めとして生まれたとされています。まずその背景から紹介します。
705 年に牛馬の市が開かれたと伝わる町
農林水産省によると、津山地域は古くから牛馬の流通の拠点で、705 年に津山で牛馬の市が開かれたという記録が残っています。津山市の「歴史文化基本構想」は、『岡山県畜産史』をもとに、慶雲 2 年(705 年)に牛馬市場が開かれていたといわれる、と少し慎重な書き方をしています。同じ資料によると、幕末には美作が牛の供給の中心となり、久世(いまの真庭市)と一宮(いまの津山市)の牛市が栄えました。
肉食が禁じられていた時代の「養生喰い」
農林水産省によると、肉食が禁止されていた明治以前でも、津山は滋賀県彦根市と並んで、全国でも珍しい「養生喰い」(薬として肉を食べること)の本場でした。
津山市の「歴史文化基本構想」は、この習慣は牛や馬の仲買商人である博労のあいだで流行していたといわれ、街道筋で最大の都市だった津山で広く行われるようになったと伝えられている、と書いています。この資料は「といわれ」「と伝えられている」という言い伝えの形で紹介しています。
新鮮なホルモンが手に入る町
農林水産省によると、こうした背景から津山市内にはいまも食肉処理場があり、新鮮なホルモンが簡単に手に入ります。牛が処理のラインに入って 10 分以内にホルモンの洗浄が終わるため、津山のホルモンは臭みがなくおいしいといわれています。
津山市観光協会は、冷蔵設備が発達する前は傷みやすい内臓肉がほとんど流通しなかったなかで、津山には食肉処理センターがあったため新鮮なホルモンを手軽に入手できた、と説明しています。
鉄板焼きの「締め」から
料理としての始まりは、鉄板焼きの締めでした。津山市観光協会は、ホルモンを味噌仕立てのたれで鉄板焼きにして味わい、締めにうどんを入れて食べたのが「ホルモンうどん」の始まりだと書いています。岡山観光 WEB の特集によると、昭和の時代、鉄板焼きの店で酒のつまみとして出されていた「ホルモン焼き」にうどんを加えて締めにすることが常連客のあいだで流行し、当時はメニューに書かれておらず「ホルモンにうどん入れて」と注文していたそうです。
文化庁の「100年フード」と B-1 グランプリ
「津山の牛肉料理」として認定
令和 4 年度、文化庁の「100年フード」(伝統の100年フード部門)に「津山の牛肉料理〜そずり鍋、干し肉、ホルモンうどん、煮こごり、よめなかせ〜」が認定されました。申請したのは津山市です。文化庁の紹介文は、津山を「明治以前から全国でもまれな『養生喰い』が行われてきた」町と書いています。
そずり鍋は、牛のあばら骨の周りの肉をそぎ落として(津山の方言で「そずって」)使う鍋料理です。ホルモンうどんとあわせて、津山の牛肉料理として知られています。
津山ホルモンうどん研究会と B-1 グランプリ
岡山観光 WEB によると、津山ホルモンうどん研究会は愛 B リーグの正式な加盟団体で、連絡先は津山市観光振興課です。農林水産省によると、研究会は取扱店のマップやホームページを作り、B-1 グランプリをはじめ全国のイベントに出展して津山ホルモンうどんを発信しています。
B-1 グランプリの公式サイトによると、津山ホルモンうどんは 2009 年の第 4 回(横手)でブロンズグランプリ、2011 年の第 6 回(姫路)でシルバーグランプリになりました。2010 年の第 5 回(厚木)は 4 位、2012 年の第 7 回(北九州)と 2019 年の第 11 回(明石)は 7 位です。
津山でホルモンうどんを食べられる店
岡山観光 WEB と津山市観光協会のグルメマップに載っている店から 3 店を紹介します。営業時間や価格は変わることがあるので、出かける前に確認してください。
橋野食堂
川崎にある老舗の食堂です。津山市観光協会のグルメマップは、自家製のたれで焼くホルモンうどんを「老舗食堂の伝統の味」と紹介しています。公式サイトによると、4 代続いている店です。創業からの年数は、公式サイトと観光協会で書き方が違います(公式サイトは 120 年、観光協会は 130 年)。
お食事処 たかくら
下高倉西にある店です。公式サイトによると、たれは 30 種類の野菜や果物を使った秘伝の味です。岡山観光 WEB は、うどんの麺を毎朝店主が打っていることと、ホルモンうどんになすを入れるのがこの店ならではの特徴だと紹介しています。
お好み焼 三枝
上河原にある店です。公式サイトによると、津山ホルモンうどん研究会の協力店で、「津山ホルモンうどんの伝道師」として全国のイベントに出向いてきました。岡山観光 WEB は、黒毛和牛のホルモンを使うことと、塩ホルモンうどんがあることを紹介しています。
津山の一玉を記録する
津山ホルモンうどんは、店ごとにたれの味も野菜も違うので、食べ比べが楽しいうどんです。一玉 うどんログでは、食べた一杯の写真と感想を記録できます。味噌寄りか醤油寄りか、ゆずを振ったかを書き留めておくと、次に行く店を選びやすくなります。同じ岡山のうどんとして、倉敷のぶっかけうどんも紹介しています。
参考にした資料
- ホルモンうどん 岡山県(農林水産省 うちの郷土料理)
- 岡山県 地方別100年フード一覧(文化庁)
- 津山市歴史文化基本構想 第 6 章(津山市)
- 津山の牛肉料理・グルメマップ 橋野食堂・御食事処 たかくら(津山市観光協会)
- 津山ホルモンうどん・津山ホルモンうどん研究会・そずり鍋(岡山観光 WEB、岡山県観光連盟)
- 全国にその名を知られる『津山ホルモンうどん』は、長年愛されてきた庶民の味・一度は食べてほしい!津山ホルモンうどん(岡山観光 WEB)
- 過去のB-1グランプリ(B-1 グランプリ公式)
- 橋野食堂(橋野食堂)
- お食事処 たかくら(お食事処 たかくら)
- お好み焼 三枝(お好み焼 三枝)
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一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



