小倉発祥 焼うどんとは? 乾麺で焼く元祖の作り方、北九州のソウルフードの始まりと「だるま堂」、食べられる店
公開 文: Katsunori

焼うどんは、いまでは全国で食べられていますが、発祥の地とされているのは福岡県北九州市の小倉です。終戦直後、焼きそば用の麺が手に入らず、干しうどんで代用したのが始まりと伝えられています。
この記事では、文化庁の資料、北九州市の観光情報サイト、小倉焼うどん研究所の公式サイト、図書館のレファレンス記録、地元の報道をもとに、小倉の焼うどんの始まりと特徴、店を紹介します。
小倉発祥焼うどんの特徴
元祖の店は乾麺を使う
元祖のだるま堂と、小倉焼うどん研究所が定義する「小倉発祥焼うどん」の特徴は、ゆで麺ではなく乾麺(干しうどん)を使うことです。文化庁の「100年フード」の紹介文は、乾麺を使うことで「焼き目がしっかりと付いた、もっちりとした食感」が実現されると書いています。研究所も、この食感は通常のゆで麺では出せないと説明しています。
ただし、小倉で出されている焼うどんのすべてが乾麺というわけではありません。北九州市の観光情報サイト「北九州パレット」の特集で研究所の所長は、小倉で食べる焼うどんが小倉焼うどんで、決まった味はないと説明し、乾麺はその中でもだるま堂の特徴だと話しています。
研究所が掲げる定義
小倉焼うどん研究所は、公式サイトで「小倉発祥焼うどん」の定義として 7 つの項目を掲げ、そのうち 5 項目は必ず取り入れるべし、としています。
- 乾麺(干しうどん)を使用
- 若松産のキャベツ
- 豚バラ肉
- 玉ねぎの甘さを引き出す調理
- 秘伝のソースの研究
- アジ・サバ節の使用
- 小倉の地酒での香り付け
同じ福岡県でも、博多うどんはやわらかい麺をつゆで食べるうどんです。福岡市の観光情報サイト「よかなび」は、博多うどんの麺がやわらかい理由として、忙しい商人に素早く出すために麺をあらかじめゆでておいたからだといわれている、と書いています。博多うどんについては博多うどんの記事で紹介しています。
焼うどんの始まり
1945 年、鳥町食道街の「だるま堂」
小倉焼うどん研究所の公式サイトによると、焼うどんは終戦直後の 1945 年(昭和 20 年)、食糧難で焼きそば用のそば玉が手に入らなかったため、小倉北区魚町の「だるま堂」の店主が干しうどんを代用して焼いたところ好評を得たことが始まりです。文化庁の「100年フード」の紹介文も、そば玉が入手困難だった時代に干しうどんを代用して試作されたのが起源とされている、と書いています。
北九州市立中央図書館のレファレンス記録によると、『北九州物語』(登本寿典著、海鳥社、2002 年)は、誕生の時期を 1945 年 11 月としています。

火災を経て、いまも続くだるま堂
だるま堂は、小倉北区魚町の横丁「鳥町食道街」にありました。小倉経済新聞によると、店は初代の弁野勇次郎さんから 2 代目の坂田輝義さん、その妻のチヨノさんへと受け継がれ、2019 年 12 月にチヨノさんが亡くなって一度閉じました。2020 年 7 月に小倉焼うどん研究所が経営を引き継いで再開しています。
2024 年 1 月 3 日には、鳥町食道街で火災があり、TNC(テレビ西日本)の報道によると 36 店舗、約 2,700 平方メートルが焼けました。だるま堂は休業したあと、2024 年春から小倉井筒屋の本館 6 階で営業を再開し、2025 年 1 月からは火災の跡地でキッチンカーによる営業も始めました。この記事を書いた 2026 年 9 月の時点では、井筒屋の店舗案内にだるま堂は載っておらず、火災の跡地に整備された「魚町みらい広場」の施設案内にだるま堂が載っています。最新の営業形態は、店や広場の公式の案内で確認してください。
文化庁の「100年フード」と地元の活動
未来の 100年フード
「小倉焼うどん」は令和 3 年度に、文化庁の「100年フード」の「未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜」に認定されました。申請したのは小倉焼うどん研究所です。
なお、農林水産省の「うちの郷土料理」の福岡県の項目には、焼うどんは載っていません。
小倉焼うどん研究所と「天下分け麺の戦い」
小倉経済新聞によると、小倉焼うどん研究所は「小倉焼うどん」を通じたまちづくりをテーマに 2001 年に発足した団体です。研究所の公式サイトによると、北九州のまちづくり団体「北九州青年みらい塾」の中で立ち上げられました。
富士宮やきそば学会の公式サイトによると、2002 年 10 月 14 日、小倉城築城 400 年を記念するイベントに富士宮やきそば学会が招かれ、「天下分け麺の戦い」と題した麺対決が行われました。この日の対決は僅差で小倉焼うどんが勝ち、これを記念して 10 月 14 日が「焼うどんの日」に制定されています。
B-1 グランプリ in 北九州
北九州市立大学都市政策研究所の報告によると、2012 年 10 月 20 日と 21 日に「第 7 回 B-1 グランプリ in 北九州」が小倉北区の中心部で開かれ、主催者発表で 61 万人が来場しました。地元の小倉焼うどん研究所をはじめ、全国から 63 団体が出展しています。
小倉で焼うどんを食べられる店
北九州市の観光情報サイト「北九州パレット」と店の公式サイトで確かめられた 2 店を紹介します。営業時間や価格は変わることがあるので、出かける前に確認してください。
だるま堂
発祥の店です。上に書いたとおり、火災のあと小倉井筒屋の本館 6 階で営業したのち、この記事を書いた時点では鳥町食道街の跡地にできた魚町みらい広場でキッチンカー営業を行っています。北九州パレットの特集ページは、初代の店主が配給された乾麺の干しうどんをゆがいてソースと絡めて出したと紹介しています。
お好み焼き いしん
小倉北区魚町三丁目にある店です。公式サイトによると、乾麺を使った発祥スタイルの焼うどんのほか、地元の製麺所の麺を使った焼うどんも出しています。北九州パレットは、小倉焼うどんの頂点を決める大会で優勝した経験がある店として紹介しています。
焼うどんの一玉を記録する
焼うどんは、かけやぶっかけとはまったく違う食べ方のうどんです。一玉 うどんログでは、食べた一杯の写真と感想を記録できます。乾麺の焼き目ともっちり感を、家で食べる焼うどんと比べて書き留めておくのも楽しい使い方です。
参考にした資料
- 福岡県 地方別100年フード一覧(文化庁)
- 小倉焼うどん研究所とは? 小倉発祥焼うどんとは?(小倉焼うどん研究所)
- 文化庁認定 100年フード「小倉焼うどん」・お好み焼き いしん(北九州市観光情報サイト 北九州パレット)
- 焼うどんの発祥について(レファレンス協同データベース、北九州市立中央図書館、2010 年 9 月 29 日登録)
- 「B-1グランプリ in 北九州」は何をもたらしたか(北九州市立大学都市政策研究所「視点」2013 年 3 月)
- 10月14日は「焼うどんの日」(富士宮やきそば学会、2025 年 10 月 14 日)
- 小倉の焼うどん発祥店「だるま堂」、まちづくり団体が事業継承へ(小倉経済新聞、2020 年 6 月 4 日)・「だるま堂」が復活オープン(同、2020 年 7 月 27 日)
- 小倉・鳥町食道街の火災(TNC 福岡、2024 年 2 月 5 日)・火災跡地でキッチンカー営業(同、2025 年 1 月 3 日)
- だるま堂(魚町みらい広場)
- お好み焼き いしん(お好み焼き いしん)
- 「博多うどん」をぜひ食べてみて(福岡市観光情報サイト よかなび)
- 福岡県の郷土料理(農林水産省 うちの郷土料理)
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一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



