徳島・阿波市のたらいうどんとは? じんぞくのだしと宮川内谷川沿いの店
公開 文: Katsunori

この記事で紹介する店
四国のうどんといえば、まず香川の讃岐うどんが思い浮かびます。けれども、隣の徳島県にも土地に根づいたうどんがあります。そのひとつが、阿波市土成町(どなりちょう)の「たらいうどん」です。
この記事では、阿波市観光協会や徳島県の観光情報サイト「阿波ナビ」などの公開情報をもとに、たらいうどんの特徴と食べられる店を紹介します。
たらいうどんとは
阿波ナビは、たらいうどんを「茹でたうどんを大きな"たらい"に豪快に」入れて出す、いわゆる釜揚げうどんと説明しています。釜揚げは、茹でた麺を冷水で締めずに、茹で汁ごと器に移す食べ方です(讃岐うどんの食べ方との違いはかけ・ぶっかけ・釜揚げ・釜玉のちがいで紹介しています)。
たらいに入った麺を、何人かで囲んで食べるのが特徴です。一人ずつの器ではなく、大きな器を分け合うところに、このうどんらしさがあります。
食べられる場所
阿波市の公式サイトの交通案内では、たらいうどんの店は「土成インターチェンジ下車、国道 318 号線の宮川内谷川(みやごうちだにがわ)沿いに点在」と案内されています。阿波ナビは、車なら「道の駅どなり」を目指すとよく、その周辺に 5 店舗があると紹介しています。
道の駅どなりについて、阿波市の公式サイト(2016 年公開のページ)は、たらいうどんの手打ち体験(要予約)を行い、直径 8.7m の巨大なたらいを展示していると紹介しています。体験の実施状況は変わることがあるので、行く前に確認してください。
由来は「山仕事のうどん」と伝わる
たらいうどんの始まりには、はっきりした記録が見つかりませんでした。紹介されているのは、次のような言い伝えです。
- 阿波ナビは、林業などの山仕事を終えた人たちが、大きなたらいを囲んでみんなで食べていた特別なうどんだった「と言われています」と書いています。
- 阿波市観光協会の樽平の紹介ページは、この地域ではかつて山仕事の人たちが昼ごはんに、持参した小麦で川辺でうどんを打ち、川魚の「じんぞく」でだしを取って食べていた「そう」だと書いています。
- 店のかねぎん坂野の公式サイトは、江戸時代末期ごろには山仕事の人たちの仕事納めのごちそうで、茹でた釜を直接囲む様子から「釜抜き千本」と呼ばれていたと紹介しています。のちに木製の飯盆(はんぼ)に移して食べるようになり、昭和 6 年(1931 年)に当時の県知事が「たらいの様な器に入ったうどん」の話をしたことから、「御所のたらいうどん」と呼ばれるようになった「そうです」としています。
どれも伝承として紹介されている話です。この記事では、どの説が正しいかは判断しません。なお「御所(ごしょ)」は、このあたりの地域の呼び名で、阿波市観光協会も「御所のたらいうどん」という名前で紹介しています。
だしは店ごとに違う
たらいうどんは、麺をつけだしにつけて食べます。阿波ナビによると、店ごとに特に違うのがだしです。昔ながらの「じんぞく」でだしを取る店もあれば、いりこだしの店もあると紹介されています。
じんぞくは、阿波市観光協会の説明では、川底をはうように泳ぐカワヨシノボリという川魚で、ゴリとも呼ばれます。じんぞくのだしは、透き通ったあっさりした味わいと紹介されています。
取るときは、たらいの縁で湯を切る
阿波ナビは、食べ方のこつとして、麺を取るときにたらいの縁を滑らせるようにすると紹介しています。茹で汁が切れて、つけだしが薄まりにくくなるそうです。
また、どの店にも焼き鳥のメニューがあり、たらいうどんと一緒に食べる名物になっていると書かれています。じんぞくやサワガニの唐揚げを出す店もあります。
宮川内谷川沿いの店
ここでは、阿波市観光協会の「阿波市名物 御所のたらいうどん」で紹介され、阿波ナビの記事にも載っている店から 4 軒を選びました。営業時間や定休日は変わりやすいので、この記事には書いていません。訪問前に各店や観光協会のページで確かめてください。
たらいうどん新見屋(阿波市土成町)
阿波市観光協会によると、初代が地元の婦人会で川辺のうどんを振る舞っていたのが創業のルーツで、のちに店を構えて昭和 40 年に開業しました。つけだしは、いりこ・昆布・かつお節など十数種類のだし素材を使った溶き卵入りのつゆで、小鍋で出されると紹介されています。
樽平(阿波市土成町)
じんぞくのだしで、たらいうどんを出す店として阿波市観光協会が紹介しています。夏季限定の冷やしたらいうどんや、じんぞくの唐揚げもあるそうです。会計場の水槽でじんぞくを見られると書かれています。
かねぎん坂野(阿波市土成町)
阿波市観光協会によると、昭和 46 年創業。数種類のだしを合わせた、しょうが風味の卵入りつけだしで、好みで天かすを入れて食べると紹介されています。宮川内谷川にかかる赤い欄干の橋を渡った先にあり、春は桜、秋は紅葉が店内から見えるそうです。
一天たらいうどん(阿波市土成町)
阿波市観光協会は、宮川内谷川からの滝が目印の店として紹介しています。溶き卵とねぎが入ったつけだしで食べるほか、牛肉とねぎの入っただしにつける「肉たらいうどん」もあるそうです。ページでは創業 60 年、3 代目が継いでいると紹介されています。
阿波市観光協会のページには、ほかにも平谷家などの店が載っています。阿波ナビも、1 軒でお腹いっぱいにせず、何軒か食べ歩いてだしの違いを比べるのを勧めています。
鳴門には「鳴ちゅるうどん」も
徳島県のうどんとして、鳴門市の「鳴ちゅるうどん」も知られています。鳴門うどん研究会の説明によると、鳴門市は藩政時代から昭和後期まで広い塩田地帯で、塩田で重労働をする人たちに、柔らかく食べやすい食事として出されたといわれています。
特徴は、不ぞろいで短く柔らかい麺です。だしは煮干しを使ったあっさりした味で、具はねぎと刻んだ油揚げだけと紹介されています。「鳴ちゅる」の名前は 2000 年代に徳島県の写真家が付け、定着したそうです。研究会は、おとなりの讃岐うどんとは「真逆とも言える」うどんだと紹介しています。
食べたたらいうどんを記録する
同じたらいうどんでも、だしは店ごとに違います。一玉 うどんログでは、食べた一杯の写真と、コシ・ダシ・ネギの好みを記録できます。食べ歩きで比べたいときの覚え書きに使ってみてください。四国のうどん文化の話は香川県はなぜ「うどん県」?でも紹介しています。
参考にした資料
- たらいで豪快に着ドン!徳島のご当地麺『たらいうどん』(阿波ナビ、徳島県観光情報サイト)
- たらいうどん(阿波市名物 御所のたらいうどん)(阿波市観光協会)
- たらいうどん新見屋(阿波市観光協会)
- 樽平(阿波市観光協会)
- かねぎん坂野(阿波市観光協会)
- 平谷家(阿波市観光協会)
- 一天たらいうどん(阿波市観光協会)
- コンセプト(御所のたらいうどん かねぎん坂野)
- 阿波市内の交通案内(阿波市)
- 道の駅どなり「餐(もてなし)の館」(阿波市、2016 年 5 月 1 日公開)
- 鳴ちゅるうどんとは(鳴門うどん研究会)
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一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



