しっぽくうどんとは? 香川の冬の郷土料理、野菜を煮込んでかけるうどんと京都のしっぽくとの違い
公開 文: Katsunori

しっぽくうどんは、香川県の冬の郷土料理です。季節の野菜を煮込んで、うどんにかけて食べます。
この記事では、農林水産省、香川県観光協会、高松市、日本麺類業団体連合会、京都府の資料をもとに、しっぽくうどんの食べ方と由来を紹介します。
冒頭の写真は、しっぽくうどんの本場、香川県高松市の栗林公園です。
しっぽくうどんの食べ方
野菜と油揚げを煮干しのだしで煮込んで、かける
農林水産省のデータベース「うちの郷土料理」は、香川県のしっぽくうどんを、こう説明しています。
秋から冬にかけてとれる数種類の野菜と油揚げを煮干しの出汁で一度に煮込み、ゆでたうどんの上から具材とともにかけてつくる料理
同じページは、「讃岐うどん」の特徴であるコシの強さとなめらかな食感に、地元でとれる季節の野菜を活かした代表的な冬の郷土料理、と紹介しています。具が多いので、これだけで一食になります。薬味に細ねぎやすりおろしたしょうがを加えると、さらにおいしくなるそうです。

具とだしは、家庭や店によってさまざま
農林水産省のレシピで使う具は、大根、にんじん、豆腐、油揚げ、ねぎです。だしは煮干しが多いものの、家庭によってはかつおや昆布のだしにしたり、里芋やしいたけを加えたりと、家庭や店によってさまざまです。こくを出すために、鶏肉や豚肉を入れることも多いそうです。
香川県観光協会の「うどん県旅ネット」は、店ごとの具の例を紹介しています。
| 店 | 具 |
|---|---|
| さぬき麺業 | 大根、金時にんじん、ごぼう、里芋(親芋)、豆腐、揚げ、鶏肉、こんにゃく |
| さぬき手打うどん 番丁 | 里芋、鶏肉、大根、にんじん、揚げ、こんにゃく、しいたけ、豆腐 |
いつ食べるのか
秋から冬、店では季節限定
農林水産省によると、しっぽくうどんは秋から冬にかけて、冬野菜が出回る時期に、家庭では寒い冬の食事や来客のときに出されます。店では季節限定のメニューとして出されることが多いそうです。
香川県の観光サイト「TRAVEL KAGAWA」は、県内のうどん店の多くで冬季限定で出されていると紹介しています。「うどん県旅ネット」は、多くの店で 10 月から 3 月下旬ごろまで出していて、うどん店のメニューに「しっぽく」が登場すると、香川県民は冬の訪れを感じる、と書いています。
年越しそばの代わりに
農林水産省によると、年末に、年越しそばの代わりにしっぽくうどんを食べることもあります。年が明けてから食べるうどんは年明けうどんの記事で紹介しています。
名前の由来
「しっぽく」という麺の名前と、卓袱料理
この記事で参考にした香川県観光協会、高松市、農林水産省のページには、香川のしっぽくうどんの名前の由来は書かれていませんでした。ここでは、全国の「しっぽく」の麺について書いた資料を紹介します。香川のしっぽくうどんに、この名前がどう伝わったのかは、今回の資料では分かりませんでした。
日本麺類業団体連合会の「麺類雑学事典」によると、しっぽくは「卓袱」と書き、元禄(1688〜1704 年)のころから長崎で盛んだった、和風の中国料理「卓袱料理」のことです。卓袱料理の中に、大皿に盛った麺の上にいろいろな具をのせたものがありました。
同じ資料によると、卓袱料理は享保(1716〜1736 年)のころに京都に伝わり、大坂をはじめとする畿内に広まったとされています。そこで京坂のうどん屋がしっぽくうどんを売り出し、それが江戸に伝わってそばの種ものになった、と考えるのが自然なようだ、と推測しています。
京都のしっぽくうどんとの違い
京都にも「しっぽくうどん」がありますが、香川のものとは姿が違います。京都府の「CO-KYOTO」は、京都のしっぽくうどんを、甘辛く炊いた肉厚のしいたけにかまぼこ、ゆば、お麩などの具がのったうどんと紹介しています。名前の由来については、長崎の卓袱料理をうどんで表現したという説と、宇治の萬福寺の「普茶料理」が由来だという説の、2 つを挙げています。
| 香川のしっぽくうどん | 京都のしっぽくうどん | |
|---|---|---|
| 具 | 大根・にんじんなどの野菜、油揚げ・豆腐など | 甘辛く炊いたしいたけ、かまぼこ、ゆば、お麩など |
| 作り方 | 季節の野菜などをだしで煮て、汁ごとかける(具や炊き方は店や家庭による) | 具をうどんにのせる |
| 季節 | 秋から冬 | — |
京都のうどんは京都のうどんの記事でも紹介しています。
家で作るしっぽくうどん
高松市は、こども園の食育レシピでしっぽくうどんの作り方を紹介しています。具は大根、にんじん、里芋、油揚げ、鶏もも肉で、だし汁は煮干しでとったものがおすすめだそうです。
農林水産省のレシピ(4 人分)は、大根 300g、にんじん 150g、油揚げ 1 枚半、豆腐 1/2 丁、ねぎ 5 本を、煮干しのだし 5 カップと薄口しょうゆ 40ml で煮込み、ゆでたうどんにかけます。春菊など青いものを散らしてもよいそうです。
しっぽくの一玉を記録する
しっぽくうどんは、店や家庭ごとに具もだしも違います。一玉 うどんログでは、食べた一杯の写真と感想を記録できます。どんな具が入っていたか、鶏肉入りだったかを書き留めておくと、冬ごとの食べ比べが楽しくなります。讃岐うどんのほかの食べ方はかけ・ぶっかけ・釜揚げ・釜玉のちがいの記事で紹介しています。
参考にした資料
- しっぽくうどん 香川県(農林水産省 うちの郷土料理)
- 冬になったらしっぽくうどん(TRAVEL KAGAWA winter、わがかがわ観光推進協議会)
- 香川県×石川県 グルメ特集(うどん県旅ネット、香川県観光協会)
- しっぽくうどん(高松市 こども園の食育レシピ)
- 麺類雑学事典 47. しっぽく(日本麺類業団体連合会)
- 京都ならではのご当地麺(CO-KYOTO、京都府中丹広域振興局、2023 年 12 月 6 日)
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一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



