小松うどんとは? 石川・小松の細くてやわらかい麺と白山の水、芭蕉に贈られた 300 年の歴史と定義八か条
公開 文: Katsunori

この記事で紹介する店
小松うどんは、石川県小松市のうどんです。小松市は、300 年の歴史を誇る小松の名物で、市民のソウルフードだと紹介しています。
この記事では、小松市と小松市観光協会、NPO 法人小松うどんつるつる創研、文化庁の資料をもとに、小松うどんの特徴と歴史、店を紹介します。
小松うどんの特徴
細めで程よいコシの麺
小松市は、小松うどんの特徴を「程よいコシと細めの麺、つるつるしこしことした上品なのど越しに、魚の節と昆布を使った口当たりの良い出汁」と紹介しています。
小松市観光協会の「こまつ観光ナビ」は、小松うどんを「細くて軟らかくて白い、たおやかな麺」と書いています。
白山の水と、魚の節と昆布のだし
文化庁の「100年フード」の紹介文によると、だしには白山の伏流水を使い、うるめ、むろあじ、さばなどの雑節と、北前船の交流で使われるようになった昆布をふんだんに使います。うまみと甘みのある上品なこくが最大の特徴です。
麺の色や小麦の配合は店によって違います。文化庁の紹介文は、ほんのり飴色がかった色は小松産の小麦を使っている証だと書いています。小松 お多福は、小松産の小麦「ユキチカラ」と北海道産の小麦を独自に配合しています。素うどんや冷やしうどんのほか、にしんうどん、いなりうどん、肉うどんなど、具によっていろいろなうどんが楽しめます。
小松うどん定義八か条
小松うどんには、小松うどんつるつる創研が定めた「定義八か条」があります。小松市のページに載っている条文は、次のとおりです。
- 小松市内で製造された麺であるべし
- 手打ち、手打ち風のものであるべし
- 加水量は、小麦粉重量に対して 35%W.W 以上 52%W.W 未満を基準とするべし
- 食塩水濃度 10%を基準とするべし
- 白山水系の水で仕込むべし
- 出汁は、うるめ・むろあじ・さば節等を主に用い、昆布をふんだんに使いひくべし
- 具材は“じのもん”をできる限り使うべし
- こまつの発展を願い、茹で上げるべし
「じのもん」は、地元でとれたもののことです。
芭蕉に贈られた小松のうどん
元禄 2 年、芭蕉の返書
こまつ観光ナビの特集「芭蕉称賛 300 年」によると、元禄 2 年(1689 年)、『奥の細道』の旅の途中の松尾芭蕉に、小松の俳人・塵生(じんせい)が乾うどんを二箱届けました。芭蕉が「殊に珍敷(めずらしき)乾うどん」をありがとうと書いた返書が残っています。
江戸時代の記録に残る名物
同じ特集によると、元禄 7 年(1694 年)の『小松旧記』には、小松町奉行から加賀藩の台所奉行にあてた「干饂飩のこと」という返書があり、細かい注文と、製造者として八日市町の亀屋徳右衛門の名前が書かれています。
文化庁の紹介文は、小松うどんを、幕府への献上品から加賀藩主、城下の庶民に広く愛され、芭蕉からも称賛を受けた加賀藩の名産品と紹介し、江戸時代前期から 330 年以上の歴史があると書いています。小松うどんつるつる創研は、加賀藩の御用達品として将軍や大名家にも送られたと伝えられている、と書いています。献上については、資料によって書き方が少しずつ違います。
文化庁の「100年フード」と、つるつる創研
伝統の 100年フードに認定
小松うどんは、令和 4 年度に文化庁の「100年フード」の「伝統の100年フード部門〜江戸時代から続く郷土の料理〜」に認定されました。申請したのは、NPO 法人小松うどんつるつる創研です。
なお、農林水産省の「うちの郷土料理」の石川県の項目には、小松うどんは載っていません。
小松うどんつるつる創研
小松市によると、小松うどんを地域の活性化に生かすため、2010 年(平成 22 年)に「小松うどんつるつる創研」が発足しました。いまは約 70 店が加盟し、市内外で小松うどんを発信しています。
こまつ観光ナビによると、加盟店の目印はえんじ色ののぼりです。加盟店は定義八か条に従いながら、店ごとに工夫した味を出しています。
小松で小松うどんを食べられる店
こまつ観光ナビの特集「小松うどんを堪能できるお店 5 選」に載っている店から 4 店を紹介します。営業時間や価格は変わることがあるので、出かける前に確認してください。
味の中石 名代めん塾
日末町にある、製麺所に併設された店です。運営する中石食品工業は、公式サイトで、白山の伏流水で練り上げる麺は程よいコシがあり、つるつるとしたのどごしと食べやすさが特長だと紹介しています。
中佐中店 城南店
城南町にある店です。こまつ観光ナビによると、1914 年に大阪府と福井県で開いたのがルーツで、1926 年に小松に拠点を移し、1984 年にいまの城南店が開きました。
小松 お多福
矢崎町にある店です。こまつ観光ナビによると、1970 年の創業で、小松で唯一の「お多福」です。
こまつうどん道場 つるっと
小松駅の高架下、土居原町にある店です。小松駅から歩いてすぐなので、旅の途中にも立ち寄れます。
小松の一玉を記録する
小松うどんは、同じ定義に従いながらも、店ごとにだしや具が違います。一玉 うどんログでは、食べた一杯の写真と感想を記録できます。えんじ色ののぼりの店をめぐって、だしの違いを書き留めておくのも楽しい使い方です。同じ北陸のうどんとして、富山の氷見うどんの記事も紹介しています。
参考にした資料
- NPO 法人小松うどんつるつる創研(小松市、2023 年 12 月 1 日更新)
- 芭蕉称賛 300 年 小松うどん特集・小松うどんを堪能できるお店 5 選(こまつ観光ナビ、小松市観光協会)
- 石川県 地方別100年フード一覧(文化庁)
- 小松うどんつるつる創研・小松うどんとは(NPO 法人小松うどんつるつる創研)
- 小松 お多福について(小松 お多福)
- 中石食品工業について(中石食品工業)
- 石川県の郷土料理(農林水産省 うちの郷土料理)
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一玉 うどんログで、食べたうどんを一玉ずつ記録できます



